大腸カメラは、肛門から内視鏡を挿入し大腸に異常がないかを調べる検査です。
ポリープがあった場合、取る必要があり、取れるものであれば、検査時に切除することができます。
切除方法は大きく分けて2つあり、通電して切除する方法(内視鏡的粘膜切除術・ポリペクトミー)と、通電しないで切除する方法(コールドスネアポリペクトミー)です。
通電して切除した方が腫瘍を完全に切除できる割合が高くなりますが、偶発症として出血や穿孔(腸が破れてしまうこと)が挙げられます。
一方、通電を伴わない切除ではその偶発症のリスクをかなり抑えることができます。しかし、腫瘍残存の割合が通電した場合と比べやや高くなる可能性があります。
一般的には、1㎝以下のポリープに対しては通電を伴わない切除を行い、1㎝以上や悪性の可能性を否定できないポリープに対しては通電して切除することが多いです。
など
当院では苦痛の少ない大腸カメラを目指しております。
大腸カメラを挿入する時にガスを充満させ視野を確保することが一般的です。しかし、ガスの充満は、お腹の張り、痛みの原因となってしまいます。
当院ではガスの代わりに水を注入することでお腹の張りや痛みを少なくする水浸法で挿入しております。
観察時にはガスを充満させる必要があります。当院では空気よりも吸収の早いに炭酸ガスを使用することで苦痛の軽減を図っております。
また、拡大内視鏡を使用しているため、表面や血管構造を詳細にみることができ、不必要な検査を避けることができます。
ポリープ切除に関しては通電しないで切除することが多いです。大きめのポリープや悪性の可能性を否定できないポリープに対しては通電して切除しております。
まず受診してもらい診察させていただいたうえで大腸カメラの予約を取らせてもらっております。
下記の二枠で予約を取っております。
① 午後1時(月・水・金)
② 午後2時(月・火・水・金)
①前日は20時までに夕食を食べてください。
その後は水分摂取は可能です。
②眠前に下剤を内服してください
③当日は朝から食事はできません。
朝の内服薬は指示があったもののみ内服してください。
④検査4時間ほど前から、腸管洗浄液の内服を開始してください。
2時間ほどかけて2L程度の腸管洗浄液を便がきれいになるまで内服してもらいます。
⑤昼の内服は中止です。
⑥検査15分前までに来院してください。
⑦13時もしくは14時頃から検査スタートです。
検査時間は、観察のみであれば15分程度、ポリープを切除した場合には30分程度です。
⑧検査終了後、医師から結果説明があります。
病理検査があった場合には後日(2週間後)の結果説明となります。
⑨検査後、腹満・腹痛などがなければ食事をしてもらっても構いません。
ポリープを取った場合は、入浴や激しい運動、飲酒は控えてもらいます。
1割負担 | 3割負担 | |
大腸カメラ (観察のみ) | 約1500円 | 約5000円 |
大腸カメラ (ポリープ切除あり) | 約6000~8000円 | 約18000~24000円 |
*検査内容や使用薬剤により金額が前後する場合があります。
*保険診療であれば、どの医療機関でも検査・治療費用は同額となります。
大腸カメラの偶発症として、出血や穿孔(腸が破れてしまう)、下剤による腹痛などが報告されております。
観察のみの大腸カメラの偶発症の頻度は0.011%と報告されております。
ポリープ切除による偶発症発生頻度は0.390%~0.564%と報告されております。
(出典 日本消化器内視鏡学会 2016年58巻9号 p1466-1491)
近年、より安全な切除方法(コールドスネアポリペクトミー)が行われるようになっており、当院ではその切除方法をメインにポリープを切除しております。
血便や強い腹痛、高熱が出た場合には当院にご連絡ください。夜間や休日などで連絡がつかない場合には、救急外来受診や救急要請をご検討ください。